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1) 梵天・密教・(東寺) | 1-1) 梵天・顕教(興福寺) | 1) あらゆるもの生み出す呪文による霊力で世界を創造する ヒンドゥー教の最高神ブラフマーが、仏教に取り入れられ梵天 となった。妃は知慧と学問、ないし雄弁と音楽の神たるサラス バティー女神(弁財天)である。何時でも弁財天を見ることが 出来るため 四つの顔を持つ。 2) 仏教では帝釈天とともに護法の神とされ、帝釈天と一対として 祀られることが多い。両者を併せて「梵釈」と称す。釈迦に随侍 し,須弥壇に安置される。 3) 釈迦が悟りを開いた後、難解な悟りを広めることをためらった が、広めるよう勧めたのが梵天と帝釈天で梵天勧請と称される。 4) 仏教にはいって色界初禅天の最高位、第三天・大梵天に居住 している。 行幸する時は第二天・梵輔天の輔相(大臣)と第一天・梵衆天 の天衆が常に前行する。仏法護持の神となる。 |
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*密教: (1) 鵞鳥座:ガチョウの羽ばた きが真理誘導 (2) 衣服: 上半身条帛、下半身裳裾 (3) 印相:右手与願印 (4) 持物:右手払子・蓮華 左手矛 (5) 面臂:四面四臂 (四方に目を配る) (6)作例: 東寺講堂、滝山寺 |
*顕教: (1)善神立像 (2)衣服:唐人服 (3)持物:経巻、鏡、小壺 (4)面臂:一面二臂 (5)作例: 東大寺法華堂、興福寺 法隆寺宝蔵院、 唐招提寺金堂 三十三間堂、 |
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2) 帝釈天・密教(東寺) | 2-1) 帝釈天・顕教 (根津美術館) |
1) 梵語名インドラの意訳「帝王」から 帝釈天と呼ばれる。 2) 古代インド神話では二頭立ての馬車や象に乗り、武器である 金剛杵を手に持ち雷を操る戦闘神であるが、雨を降らせ大地 に実りを与える太陽神としても信仰された。 3) 仏教に取り入れられると、 天部の最高位に属し、神々の王者 とされる。戦いの神から、慈悲深く柔和で梵天と並ぶ仏教の二 大護法神となる。仏教世界の中央にそびえる須弥山の頂き から人間界を見守っている。 密教では十二天の1人であり、千手観音の二十八部衆の1人 でもある。 4) 六欲天・刀利天の中央にある善見城に住む。 5) 夫人は阿修羅の娘舎脂で阿修羅との争いの原因となる。 阿修羅に勝利し仏門に帰依させた武勇神でもある。 |
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*密教: (1) 白象座:象は聖獣 (2) 衣服:上半身は甲冑 (3) 持物:金剛杵・独鈷杵 (4) 面臂:一面二臂三眼 (5) 作例: 東寺講堂、 滝山寺 |
*顕教: (1)善神立像 (2)衣服:唐人服の下に甲冑 (3)持物:蓮華 、金剛杵 (4)面臂:一面二臂 (5)作例: 東大寺法華堂 三十三間堂、唐招提寺 法隆寺宝蔵院、 秋篠寺、根津美術館 |
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1) 飛鳥時代 法隆寺金堂の四天王像4体は中国色の強く動きの少ない直立像 である。顔はこの時代特有の柔和な微笑を浮かべている。怒りの 表情は眉のみで目も伏し目の菩薩眼である。 2) 天平時代 聖武天皇は金光明最勝王経を信仰し四天王が王と国家を外敵や 災いから護ってくれるとし東大寺を総本山に四天王護国寺、国分 寺を全国に建立した。東大寺戒壇院の四天王像は体に動きがあ る写実的な表現になる。 3) 平安時代 東寺講堂の立体曼荼羅の中の四天王は密教の仏像らしく恐ろし い忿怒相になる。一方、定朝様式の浄瑠璃寺の四天王は優美で 華麗な技法が目立つ。顔は丸く目鼻が中央にまとまり眉がつり上 がる。 4) 鎌倉時代 興福寺南円堂、中金堂の慶派仏師によって造られた四天王像は 武家の時代らしく写実的で体の微妙な動きを表現する優れた造形 様式を残す。 |
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(1) 持物: 右手宝刀・左手腰 (2) 姿形:吽形 兜姿 (3) 色彩: @中国の四神に対応 ・青龍(東)-青(緑)色 A密教の五行に対応 ・木(東)-緑色 |
1) 梵語名はドリタラーシュトラといい、提頭頼叱と音写される。 「国土を支えるもの」との意味を持つことから「持国天」と呼ばれ る。東方の守護神。 2) 乾闥婆や毘舎遮を配下にする。 3) 仏の住む世界を支える須弥山の4方向を護る四天王の1人と して東面の中腹である 第四層の賢上城に住む。 4) 須弥山をめぐる大海にある4つの大陸のうち東勝身洲を守護 する。東方の守護神であることから東方天とも呼ばれる。 |
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(1) 持物: 右手三叉戟・左手腰 (2) 姿形:阿形 (3) 色彩: @中国の四神に対応 ・朱雀(南)-赤色 A密教の五行に対応 ・火(南)-赤肉身色 |
1) 梵語名は毘楼勒叉(びるろくしゃ)と音訳され「発芽し始めた 穀物」という意味を持ち、五穀豊穣を司る。超人的な成長力 をもって仏教を守護することから「増長天」と言う。 2) 帝釈天の配下で、須弥山の4方向を護る四天王の1人として 南瑠璃タ(みなみるりた)に住む。 3) 須弥山をめぐる大海にある南の方角、人間の住む南閻浮提 (なんえんぶだい)・[南贍部洲(なんせんぶしゅう)とも言う]を 守護する。 4) 鳩槃荼や薜茘多(餓鬼)を配下にする。 |
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(1) 持物: 右手筆・左手経巻 (2) 姿形:千里眼 (3) 色彩: @中国の四神に対応 ・白虎(西)-白色 A密教の五行に対応 ・金(西)-肉身色 |
1) 梵語名は毘楼博叉と音訳され意味は「特殊な力を持った眼を持 つ」であり、意訳では「醜目天」とも呼ばれる。 西方の守護神。 2) 帝釈天の配下で、須弥山の4方向を護る四天王の1員として 白銀タ(はくぎんた)に住み、須弥山をめぐる八海にある4つの 大陸のうち西牛貨洲(さいごけしゅう)を守護する。 3) 龍王をしたがえ、浄天眼(じょうてんげん=千里眼)で この世を 観察し、仏の教えとそれを信じる者を護る。 |
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(1) 持物: 右手三叉戟/金剛棒 左手宝塔 (2) 色彩: @中国の四神に対応 ・玄武(北)-黒(群青)色 A密教の五行に対応 ・水(北)-白肉身色 (3) 単独(毘沙門天)作例: 願成就院、浄楽寺 (4) 三尊形式: 鞍馬寺、雪蹊寺、青雲寺 |
1) インドでの財宝神クベーラを仏教に取り入れたもので片手で 宝塔を持つ。帝釈天の配下の北方の守護神で、須弥山をめ ぐる大海にある4つの大陸のうち北倶盧 (ほっくる)洲を守護する。 2) 釈迦説法をよく聞く者を意味する。夫人は吉祥天で有財城に 住む。 3) 単独では別名の毘沙門天と呼ばれる。吉祥天と善膩師童子 をしたがえた三尊形式がある。 4) 聖徳太子の戦勝祈願の本尊。七福神の一人として、又、上杉 謙信の旗印に毘の文字を入れる。 |
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6) 兜跋毘沙門天(奈良博) | (1) 宝冠: 膝丈金鎖甲・四方宝冠 (2) 持物:右手戟・左手宝塔 (3) 台座: 地天女及び二鬼の両手 (4)作例: 東大寺中門、清凉寺 東寺宝物館 奈良博物館 |
1) 兜跋国(現チベット・ウイグル自治区)が敵に攻められたとき、 城にいた僧侶達 の祈りで毘沙門天が出現し敵を一撃で撃退 したとの伝承がある。 2) 他の天王が邪気を踏みつけているのに対し、 地天女の両腕 で支えられて立ち、尼藍婆(にらんば)、毘藍婆(びらんば)という 邪鬼を従えている。金鎖甲という鎖を編んで作った鎧を着し、 腕には海老籠手と呼ぶ防具を着け筒状の宝冠を被る。左手に 宝塔、右手に宝棒または戟を持つ異国風の像である 3) 外敵から国家を護る仏像であり東寺の兜跋毘沙門天像は かつて羅城門の楼上に安置されていた。 |
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(1) 持物: 左手宝珠・右手与願印 (2) 衣服:唐貴婦人 (3) 作例: 法隆寺金堂、観世音寺 鞍馬寺浄瑠璃寺、 雪蹊寺、興福寺 |
1) もとはヒンドゥー教の美、幸運、富の女神であるラクシュミーが 仏教に取り入れられたもので大弁功徳天とも言う。幸福・美・五 穀豊穣の神として尊敬を集め、崇拝されている。 2) 平安時代には吉祥天を本尊とし罪の懺悔と五穀豊穣を祈願す る吉祥悔過という密教の法要が行われた。 3) 父は散支夜叉、母は鬼子母神、夫は毘沙門天、子が善膩師童 子となる。毘沙門天の婦人として有財城に住む。 |
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(1) 持物:琵琶を抱く (2) 衣服:宝冠唐貴婦人 (2) 頭上:蛇神宇賀神 (3)作例: 東大寺ミュージアム (4) 日本三大弁財天: 江島神社、 宝厳寺/竹生島神社 大願寺/厳島神社 |
1) もとはインドのサラスバティー川の河神であり,女神の姿に造形 化したもの。 のちに梵天の妃となった。仏教に取入れられて 音楽,弁舌,財富,知恵,延寿を司る女神となった。 2) 湖沼に住む魔物を静める水神として弁天堂に祀られる。 3) 中世以降、弁才天は宇賀神(出自不明の蛇神)と習合して、 頭上に翁面蛇体の宇賀神をいただく。宇賀弁才天として 広く信仰されるようになる。弁才天の化身は蛇や龍とされる。 |
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(1) 持物:左手子供を抱く・ 右手柘榴/両手銅バッ子 (2) 衣服:宝冠唐貴婦人 (3) 頭上:馬頭 (4) 作例: 三井寺 |
1) 梵名ハーリーティーを音写した訶梨帝母とも言う。毘沙門天の 部下、散支夜叉(パーンチカ)の妻で、500人の子をもつ母である。 2) 多くの子をもっていたが,常に他人の子を奪って食べるので, 釈迦が鬼子母の子を隠して,子を食う罪をさとした。 以後仏教 に帰依し、子供と安産の守り神となった。盗難除けの守護とも される。 3) 日本では法華経の行者を守護する善女神とされ,とくに日蓮宗 の守護神として崇敬された。 |
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(1) 持物: 右手金袋/小槌、 左手金棒/袋を背負う (2) 装飾: 髑髏瓔珞・蛇腕輪 (3) 面臂: 第三眼・三面六臂 (4)作例: 延暦寺、観世音寺 興福寺、金剛輪寺 文化庁、松尾寺 |
1) 梵語のマハーカーラで、摩訶迦羅と音写。マハーは偉大を、 カーラは黒(暗黒)を意味する。元来ヒンドゥー教の主神の一 つで、青黒い身体をもつ破壊神としてのシバ神(大自在天)の 別名である。 2) 日本では、中国南部の諸寺の厨房に祀られた金袋を持つ財福 を強調した大黒天が最澄によってもたらされ、天台宗寺院の台 所の守護神としてに祀られた。その後、台所の守護神から福の 神としての色彩を強め、七福神の一つとなる。 3) 本来の像容は、一面二臂、青黒か黒色で忿怒の相で表現された が、容姿の類似から大国主命と重ねられ、頭巾をかぶり左肩に 大袋を背負い、右手に小槌を持って米俵を踏まえる厨房神・財 神として描かれる。 商売繁盛、田の神として信仰を集めている。 |
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(1) 姿形: 忿怒形・甲冑を付ける (2) 持物:右手金剛杵 (3) 作例: 東大寺法華堂、 金剛峰寺、 金剛院 |
1) 起源はギリシア神話の英雄ヘラクレスであるとされる。 梵語名 はバジュラ・サットゥバで,執金剛,金剛手秘密主などと漢訳 された。 2) 手に煩悩を砕き悟りの心を開く金剛杵を持ち仏法を護る夜叉。 衆生が生まれながらに持つ菩提心を象徴する。 3) 執金剛神は初期には1人着甲の武将姿として造形安置される のが一般的であるが、後には、金剛力士と起源を同一とする 考え方から、阿と吽の2体に表現されて寺門などを守護する 仁王となる。 |
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(1) 姿形: 阿形、上半身裸形 (2) 作例: 法隆寺中門、 興福寺国宝館 醍醐寺西大門 東大寺法華堂 東大寺南大門 |
1) 那羅延とはヒンドゥー教の神ヴィシュヌの異名「ナーラーヤナ」 の音写 。仏教に取り入れられ護法善神となる。大力があると され、勝力と訳される。何者にも破壊されることのない力強い 身体を例えて那羅延身、那羅延力という。 2) 密迹金剛力士と一対になっており寺院内に仏敵が入り込むこと を防ぐ守護神。 一般的には向かって右側に口を開いた阿形、 左側に口を結ぶ吽形の力士を配する。 阿は全てを生じさせる 理念の本体で、吽はそれらが帰着する叡智を意味する。阿形と 吽形の配置で、全ての始まりと終りを象徴する。 3) 那羅延金剛は、口を開いた阿形で 、筋骨隆々とした上半身裸 形で、両手を上下に張り大力を示し怒りを顕わにする。 |
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(1) 姿形:吽形・上半身裸形 (2)作例: 法隆寺中門、 興福寺国宝館、 醍醐寺西大門、 東大寺法華堂 東大寺南大門 |
1) 梵語ではヴァジュラダラと言い、仏に親しく近づいて、仏の秘密 の教えを聞こうとする。 2) 仏敵を退散させる武器である金剛杵を持つ。 3) 那羅延堅固王と山門守る仁王の一体。 一般的には向かって 右側に口を開いた阿形、左側に口を結ぶ吽形の力士を配する。 「阿」は全てを生じさせる理念の本体で、「吽」はそれらが帰着 する叡智を意味。阿形と吽形の配置で、全ての始まりと終りを 象徴する。 4) 密迹金剛は、口を結ぶ吽形で、首を左にひねり、右手は腹の高 さに上げ掌を開き、左手は腰の辺で拳をつくり怒りを内に秘める。 |
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14) 焔摩天(醍醐寺) | 1. 焔摩天の作例はそう多く はなく、ほとんどは、十二 天図や曼荼羅の図像とし てである。 (1) 面相: 菩薩相・宝冠唐貴婦人服 (2) 台座:水牛座 (3) 持物:右手人頭幢 (4) 作例:醍醐寺 |
1) ヒンドゥー教において冥界を支配するといわれる死神ヤマの 音写。仏教に取り入れられ、運命、死、冥界を司る天部の神 となった。密教においては方位神の集団「十二天」の一柱と され、南方の守護神とされる。 2) ヤマの、天上世界での側面が欲界第三天の盟主として焔摩 天が現れ、地下冥界での側面が地獄道の王として閻魔大王が 現れる。 3) 白い水牛に乗り,左手に人頭幢をもつ。人頭幢は衆生の行い を監視するもので半月形の人頭を竿の先にのせ不気味な威力 を暗示する。 |
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(1) 衣服:道教服 (2) 持物:右手笏・閻魔幢 (3)作例: 宝積寺、矢田寺 白毫寺、円応寺 |
1) 焔摩天と同様にヒンドゥー教において冥界を支配するといわれ る死神ヤマの音写。仏教に取入れられて、衆生の行いや罪を 審判し悪を懲ら しめる地獄の主神、冥界の総司となる。 2) 中国宋代の裁判官の服装で上方の開いた方形の冠をつけ、 あげ頸の服を着て,両眼をむき出して叱咤の勢をなす恐ろしい 形に造形される。 3) 閻魔王の法廷には、浄玻璃鏡(じょうはりきょう)という亡者の 生前の行為をのこらず映し出す鏡がある。裁かれる亡者が 閻魔王の尋問に嘘をついても、たちまち見破られる。司録、 司命という地獄の書記官が左右に控え、閻魔王の業務を補佐 している。 |
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1. 別名: @摩醯首羅 (マケイシュラ) A薩遮摩和羅 (サシャマワラ ) (1) 台座:白牛座・ (2) 面相:忿怒相・ (3) 面臂:三目八臂 (2)作例:三十三間堂 |
1) 梵語のマヘーシュバ ラの音写で摩醯首羅(マケイシュラ) や 薩遮摩和羅(サシャマワラ ) とも云う。大自在天、摩醯首羅王 とも言う。ヒンズー教のシヴァ神である。 2) ヴェーダ神話には、ルドラとし て登場し、暴風、雷雲、医療を 司る神になる。 3) 仏教では色界最上の浄居天に住み 三千世界の主として 一切 衆生の願望を成就させる。 4) 大自在天の誕生時に鬼神や諸天の梵天が集まり誕生を礼拝 したが、梵天王は自らの五つの頭中の醜悪な一つを取ること を願った。大自在天は大鷹の身に変じてそれを摘去したという。 故にその手に梵天の頭を持つとしている。 |
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17) 伊舎那天(東京博物館) | (1) 台座:牛乗座 (2) 面臂: 三目八臂・忿怒相 (2) 持物: 左手血入り髑髏杯 右手三鈷戟 (3)作例:東京博物館 |
1) ヒンドゥー教のシヴァ神(仏教の大自在天)もしくはルドラ(忿怒 の火神・風神)の変化身とされる。鬼門にあたる東北方の護法 神。第六天魔王の住処である「他化自在天」の主とされる。 2) 黒青色で、怒りの三目と上を向いた牙(きば)をもち、首に髑髏の 瓔珞をかけ、左手には血を盛った器盤、右手には鉾鎗を持ち 黄牛に乗る。これは迷いや欲望を絶つため、人生の無常さや 身のはかなさを悟らせるためと言われる。 3) 伊舎那天が喜ぶ時はすべての神々も喜び、魔障は現れない。 しかし、伊舎那天が怒った時は、魔障がみな現れ国土が乱れ ると言われる。 |
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(1) 姿形:天女形 (2) 作例:秋篠寺、東芸大 |
1) 摩醯首羅天(大自在天=シヴァ神)が楽器を奏でていたときに 髪の生え際から誕生した天女、芸能をつかさどる女神。 2) 形像は、顔容端正で、左手は上に向けて天華(てんげ)を捧げ、 右手は下に向けて裳裾(もすそ)を持つ。 3) 密教では、容姿端麗で舞踏・器楽を奏でることに優れている 伎芸天を本尊として、修法(伎芸天女法)を行う。 4) 種々の伎芸や福徳が得られるように速やかに芸の上達を願う 多くの芸能従事者から篤く信仰されている。 |
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(1) 台座: 猪乗(猪突猛進) (2) 面臂:三面三目 (3) 姿形:天女形 (4)作例:当麻寺 |
1) 陽炎、太陽の光、月の光を意味するマリーチを神格化したもの。 実体がなく、捉えられず、焼けず、傷付かない陽炎は、日天の前 に疾行し、自在の通力を有すとされる。 2) 梵天の子、あるいは日天の妃ともされ、摩利支天を念ずれば 他人から見られ知られることなく、捉え害されることなく、だまし 罰せられることなく、自らの望むところを成就できるとされる。 3) 日本では護身や蓄財などの神として武士の間に摩利支天の 信仰があった。 楠木正成は、兜の中に摩利支天の小像を 納め、毛利元就や立花道雪は摩利支天を旗印として用いた。 |
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20) 韋駄天(万福寺) | (1) 姿形:着甲像 (2) 印相:合掌宝剣 (2)作例: 万福寺、泉涌寺、長龍寺 乙津寺 |
1) 元々ヒンドゥー教のシヴァ神の子で悪魔を打ち破る軍神スカ ンダ。仏教に帰依後、四天王・増長天に従う八大将軍の1人 として、仏法と寺院を護る守護神として信仰される。 2) 足の速い鬼が仏舎利を奪って須弥山へ逃げ去った時、これを 追って取り戻したという説話から、よく走る神、盗難除けの神 として知られる。 3) 韋駄天が釈尊のために方々を駆け巡って食物を集めたとの 俗信に由来して、御馳走という言葉が出来た。 |
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(1) 台座:狐乗座 (2) 持物: 右手剣・左手宝珠 (2)作例:大阪東大寺 |
1) 梵語のダーキニーを音写したもので、生きた人肉を食う夜叉 または羅刹 の一種。大日如来の化身とされる大黒天に諭さ れて人肉を食べることを止め、仏法に帰依した。 2) 江戸期以降、狐が霊的動物として稲荷神の使いないしは稲荷 神そのものとして信仰される稲荷社と荼枳尼天が結びつき同 一視されていた。 3) 稲荷権現、飯綱権現と習合し、憑き物落としや病気平癒、開運 出世の福徳神として信仰される。俗に荼枳尼天は人を選ばな いといわれ、博徒や遊女、被差別階級等からも信仰をあつめ る。一般に荼吉尼天は白狐に乗る天女の姿で表される。 |
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(1) 台座:獅子座 (2) 持物: 右宝剣・左ピース印 (3)作例:岩船寺 |
1) ヒンドゥー教に登場する鬼神ラークシャサが仏教に取り入れら れたもので、 夜叉と同様に毘沙門天の眷属として仏法守護の 役目を担わされる。 2) 四天王の一である多聞天(毘沙門天)に夜叉と共に仕える。 3) 十二天では「羅刹天」として西南を守護し、手にした剣で煩悩 をつといわれる。 全身黒色で、髪の毛だけが赤い鬼とされる。 4) 日本では羅刹の魔物としての性格が強調され、地獄の獄卒と 同一視され恐れられた。源信の往生要集では凄惨な地獄描 写の中で羅刹は亡者を責める地獄の怪物として描かれている。 |
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(1) 姿形:人面鳥身 (2)作例: 中尊寺、東京博物館 |
1) 梵語のカラヴィンカの音写。浄土曼陀羅の絵などでは上半身は 美女、下半身は鳥の姿の想像上の生物。 2) まだ殻にあるときからに美しい声で鳴くともいい、極楽浄土にす み、その声は聞くものを飽きさせることがなく、 比類なき美声で あるという。 |
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(1) 持物: 手に白蛇 ・ ドクロ胸飾 (2) 装飾: 膝頭に象皮の膝当 腹部に童子面 (3) 作例: 金剛峰寺、金剛、 明通寺 |
1) 玄奘三蔵が天竺へ向かう時に流砂からあらわれ法師を守護 したとされ、西遊記の沙悟浄のモデルとなる。 2) 観音菩薩の化身とされ、砂漠の旋風や悪疫の難を除き、災い を救い益を成すという。 3) 髪の毛は逆立ち、胸に7つの髑髏の瓔珞を巻き、腕には蛇を 絡ませ、膝には象革の袴を履き、腹には人面を付ける。 4) 象皮の面 は象のように荒れ地を突き進み、砂漠をも乗り越 える強靱を七つのドクロの胸飾りは、玄奘三蔵が七度生まれ代 わってそれぞれの頭蓋骨を示す。腹部の童子の顔は深沙大将 が童子の体に憑りつき童子の顔だけが腹部に残ったもの。 |
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1) 五部浄居天 (天部) |
(1) 頭上:象頭・ (2) 持物:両手各々太刀 (3) 姿形:甲冑姿 |
1) 象の冠を被り宝剣を佩いた偉丈夫の鬼神として現 される。 2) 礼法や治法を司る仏神。 3) 色界最上界の色究竟天を含む四禅第5天〜9天 (五浄居天)の盟主。 |
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2) 沙伽羅龍王 (竜族) |
(1) 持物:右手太刀・ 左手蛇 (2) 冠上:大蛇 |
1) 雨乞いの本尊で龍宮の王である。王女善女龍王は 牛頭天王の后である。 2) 空海の神泉苑での雨乞祈祷では沙伽羅龍王の王女 善女龍王を勧請し雨を降らす。 |
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3) 鳩槃荼夜叉 (夜叉) |
(1) 持物:鼓とばつを持つ (2) 面相:首上が馬 |
1) 人の精気を食い甕の形の睾丸を持つ。 2) 興福寺八部衆(口を開き逆立つ頭髪)。 |
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4) 乾闥婆 (けんだつば) |
(1) 持物:右手法輪・左手 経巻 (2) 姿形:獅子冠・着甲 |
1) 元は歌神で香を食べるとされ、神々の酒ソーマの 守り神。 2) 仏教に帰依後は胎児、小児を守護し悪魔をはらう神。 |
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5) 阿修羅 | (1) 持物: 第1手合唱・ 第2手日と月・ 第3手右宝矢・左宝弓 (2) 姿形:裸形 (3) 面臂:三面六臂、 忿怒相 |
1) 戦闘神であり帝釈天との悲酸な争いを修羅場と言う。 2) 帝釈天との戦いに敗れ天界刀利天を追放される。 3) 修羅界の盟主となる。 |
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6) 迦楼羅 | (1) 姿形:鳥頭人身有翼 着甲像 (2) 持物:横笛 |
1)竜を好んで常食するという伝説上の鳥、金翅鳥 (こんじちょう)とも言う。 |
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7) 緊那羅 (十二神将・ 真達羅) |
(1) 面臂:一角三目 (2) 頭上:象の冠 (3) 持物:太鼓 (4) 姿形:半身半獣・裸形 |
1)インドの楽神で、美しい歌声をもつ鳥が神格化 され 歌神となる。 2) 神にも人にも畜生にも鳥にも当たらない半身半獣の 非人間。 3) 帝釈天の眷属。 |
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8) 畢婆迦羅 (ひばから) (十二神将・ 毘羯羅) |
(1) 持物:右手垂下・ 左手宝棒 (2) 面相:口や顎に髭 |
1) もとは大蛇を神格化した竜王。 2) 音楽の神で横笛を吹く。 |