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藤原鎌足私邸に建立された 山階寺
が前身。 710年平城遷都に伴い藤
原不比等によって現在地に移転。
藤原氏の氏寺として大いに繁栄。
1180年平重衡の南都焼討で焼失し
た堂塔は 鎌倉期に復興。境内には
下記の堂宇が立ち並ぶ。 |
東金堂:薬師三尊、四天王、維摩居
国宝館:鋳造仏頭、十大弟子、八部衆、
北円堂:弥勒菩薩、無着・世親像、四天王
中金堂:釈迦三尊、四天王、大黒天、吉祥天
南円堂:不空羂索観音、四天王、法相六祖
仮講堂:地蔵菩薩、薬師如来、梵天 |
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726年聖武天皇が伯母の元正上皇の
病気平癒を祈願し薬師三尊像を安置
する堂を創建。現在の建物は 5度の
焼失を経て1415年に再建。唐招提寺
金堂に似た天平様式である。 規模は
創建時の堂に準じており 堂内には銅
造薬師三尊像等を安置。 |
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本尊薬師如来坐像は、像高 2.5m。
現在の東金堂が再建された室町時
代に造立。 かつての東金堂本尊は
頭部のみが国宝館に保存 。 |
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東金堂:薬師三尊中尊
像高は2.5m、銅造。東金堂が再建
された室町時代に造立。 かつての
本尊の頭部が国宝館に保存。 |
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東金堂・薬師三尊・月光菩薩
大きな特徴は両菩薩ともに宝冠正面
に阿弥陀仏が見られる。宝冠の阿弥
陀仏は観音菩薩の印である。 |
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東金堂・薬師三尊・日光菩薩
元は飛鳥の山田寺講堂薬師三尊の
脇侍で興福寺の僧兵が略奪した
もの。 |
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東金堂・薬師三尊・日光菩薩(2)
金銅鍍金製、像高は日光菩薩が
300.3cm、月光菩薩は298cm。 |
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像高は 1.5m程度、ヒノキの一木造で
瞳は黒漆。 像内に内刳無し。頭髪や
甲冑の一部、邪鬼の表面に乾漆を盛
り上げて造形。 持国天と増長天は正
面を向き広目天と多聞天は互に内側
を向く。一木の桧材で彫出されたため
肉太かつ重量感にあふれる。 |
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国宝:四天王・持国天
ヒノキ材一木造、一部乾漆補てん。
右手で宝珠を捧持し、左手は剣を
持つ。 |
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国宝:四天王・増長天
ヒノキ材一木造、一部 乾漆補てん。
冑をかぶり右手を腰に当て、左手
は三叉戟を支える。 |
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国宝:四天王・持国天(2)
頭髪、体の一部に漆を盛り上げて肉
付ける。瞳には黒漆を用いる。
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国宝:四天王・増長天(2)
頭上から足下の邪鬼、台座まで一
木の桧材で掘り出されており 肉太
であり重量感あふれる。
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国宝:四天王・広目天
ヒノキ材の一木造、 一部に乾漆補
てん。右手を挙げて羂索を握り、左
手で右側に立てた三叉戟を支える。 |
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国宝:四天王・広目天(2)
持物が筆と巻物でなく、羂索と三叉
戟になっているのは 陀羅尼集経の
所説に依った図像。 |
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国宝:四天王・多聞天
ヒノキ材の一木造、一部に乾漆補
てん。 冑をかぶり右手で宝塔を持
し、左手は三叉戟を支える。 |
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国宝:四天王・多聞天(2)
右手で宝塔を掲げる様式は天平
平安前期の作造に多い。 |
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国宝:維摩居士坐像
1196年定慶の作品。像高は88cm
桧材の寄木造、彩色、玉眼仕上げ
文殊と維摩の問答の場面を表現。 |
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国宝:維摩居士坐像(2)
維摩は藤原氏の信仰を集める。維
摩経を講賛し供養する維摩会を毎
年10月に開催。
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国宝:文殊菩薩坐像(2)
維摩居士像と対を成し 古くから学問
僧の祈願仏として信仰を集める。 |
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国宝:文殊菩薩坐像
像高 94.0cm、桧材の寄木造、彩色
玉眼仕上げ。若々しい面相、左足を
前に外して安座する。 |
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国宝:十二神将・安底羅(申)
兜を被り、腰を右に曲げる。 右手
に宝棒を掲げ、左手は掌を下にむ
け脇におろす。下唇を噛む忿怒相。 |
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国宝:十二神将・因達羅(巳)
顔を右方向に向けて、左手に三叉
戟を持ち、右手は腰に当てる。 |
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像高は113.0-126.6cm、 ヒノキの寄
木造、彩色、彫眼仕上げ。薬師如来
の守護神で、如来を囲み左右に各6
体、計12体を安置。伐折羅が草履を
はき、それ以外は沓をはく。 頭部の
十二支の動物が 十二の時と方位を
司る。 |
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国宝:十二神将・因達羅(2)
側頭部は焔髪のままにして他は頂部
にまとめ天冠台で締める。
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国宝:十二神将・珊底羅(午)
左手は 腰に運び掌を開き正面に
むける。右手は鈷杵を握り頭の高
さまであげる。 |
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国宝:十二神将・安底羅(2)
髪には乾漆を併用する。 臑当てを
着けずに脚部を露出する。 |
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国宝:十二神将・迷企羅(酉)
右と左手で三叉戟を握り右側に構
える。直立不動の姿勢。 |
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国宝:十二神将・迷企羅(2)
側頭部は焔髪のままにして他は頂部
にまとめ天冠台で締める。
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国宝:十二神将・招杜羅(丑)
腰を左に折り曲げ、右手は矢を握
り喉元まで運ぶ。左手は右脇腹ま
で運び拳を作る。 |
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国宝:十二神将・珊底羅(2)
右足ほぞに作者名を指すと思われ
る衆阿弥の墨書がある。 |
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国宝:十二神将・真達羅(寅)
目を半閉じにして口をへの字に曲
げ、正面を向き合掌する。 |
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国宝:十二神将・真達羅(2)
腰部に獣頭付の毛皮など、珍しい
飾りがみえる。 |
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国宝:十二神将・宮毘羅(亥)
兜を被る。 右手は親指と中指薬指
とで輪を作り胸元まで上げる。左手
は掌を向けて腰脇から突き出す。 |
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国宝:十二神将・宮毘羅(2)
表面の仕上げに截金文様を多用
する。頭上に猪の像を載せる。 |
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国宝:十二神将・摩虎羅(卯)
目を剥き、口を大きく開く。左手に
は斧を持ち、右手は脇に降ろす。 |
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国宝:十二神将・招杜羅(2)
上半身と下半身を別材から木取り
して矧いでいる。 眼は玉眼を嵌入
せず彫眼とする。
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国宝:十二神将・毘羯羅(子)
右足を踏み出し、口を開けて左手
を額にかざして遠方を見る。右手
は拳を作りやや折り曲げ下げる。 |
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国宝:十二神将・毘羯羅(2)
ひょうきんな表情を見せる。瞳の
部分に漆塗の玉を嵌入する。頭
上に鼠の像を載せる。 |
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国宝:十二神将・波夷羅(辰)
兜を被り口を開け鬼の形相で右足
を踏み出す。 左脇で両手で支える
太刀を正に抜かんとする。 |
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国宝:十二神将・摩虎羅(2)
瞳の部分に漆塗りの玉を嵌入する。
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国宝:十二神将・波夷羅(2)
表面装飾に彩色文様が 主に見ら
れる。臑当てを着けずに脚部を露
出する。 |
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国宝:十二神将・あに羅(未)
右手で三叉戟を支えて、 左手は腰
に添える。口を閉め、厳しい顔で仁
王立ちする。 |
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国宝:十二神将・伐折羅(戌)
右手で宝剣を下方に振りかざし、腰
を屈め、口を開いた鬼の形相で襲い
かかる。左手は右ひざ前に下げる。 |
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国宝:十二神将・あに羅(2)
側頭部は焔髪のままにして他は頂部
にまとめ天冠台で締める。
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国宝:十二神将・伐折羅(2)
上体を前傾させ、振り上げた右手の
剣で仏敵を仕留める。 臑当(すねあ
て)を着けずに脚部を露出する。 |
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東金堂:正了知大将立像
像高167pの寄木造。火災時に
躍り出て焼失を免れ踊り大将と
呼ばれる。 |
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1959年に食堂、細殿の跡地に建設
した 耐火式収蔵施設に寺宝を展示
する。 外観は食堂創建時の寺院建
築を模した。食堂の本尊であった千
手観音立像が、中央に安置され 八
部衆 十大弟子 板彫十二神将 など
多くの仏像を展示。 |
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国宝:鋳造仏頭
元は飛鳥の山田寺講堂の薬師三
尊像の中尊で興福寺の僧兵が略
奪したもの。室町期に火災に遭い
中尊像は頭部だけが 残る。 |
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国宝:鋳造仏頭(2)
堂が焼けて頭部が落下した時に左
耳下部が欠損し左耳上の頭髪部に
鋭角的な深い窪みが出来たと思わ
れる。 |
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国宝:十大弟子・舎利弗
左腕は心木を残すのみで欠失。袈
裟を通肩に着て、 折り目は垂直に
流れている。 |
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734年に西金堂が 建立された際に
光明皇后の発願で造立。釈迦の高
弟10人の肖像彫刻で舎利弗など6
体が現存、他4体は 明治時代に寺
外へ流出。粘土の原型に布をかぶ
せ、漆を重ねる脱活乾漆造。像高は
144.3cmから152.7cmである。 |
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国宝:十大弟子・目けん連
両手首から先を欠失。袈裟を通肩
に着て、真っ直ぐ正面を見て 両手
で何かを抱える。 |
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国宝:十大弟子・須菩提
袈裟を通肩に着て、 大まかな折り
目を作る。 若者の顔にして左方を
見る。 |
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国宝:十大弟子・富楼那
筒袖と広袖の両方を着て、細やかな
折り目を作る。 老人の顔にして左肩
を引き右肩を上げ右方を見る。 |
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国宝:十大弟子・迦旋延
右肩を露わにして少し右に出し動
きを表現。 右を向いて口を開き歯
を覗かせる。 |
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国宝:十大弟子・羅ご羅
正面を向き目を閉じる。袈裟を通
肩に着て、両手は 腹前で袈裟の
中に包む。 |
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国宝:八部衆・五部浄居天
象頭の冠をかぶり宝剣を佩いた偉
丈夫。正面を見つめる少年の姿で
あるが頭部と上半身の一部を残す
のみ。 |
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国宝:八部衆・五部浄居天(2)
色界最上界の五浄居天に住む阿
那含の5聖者を合わせて一尊とし
たものが五部浄居天と言う。 |
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八部衆とは8つの種族を言う。脱活
乾漆造で像高150cm前後だが重さ
は15kgほどの軽量。 この軽さで幾
度の火災を免れた。阿修羅以外は
甲冑を身に着ける。 |
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国宝:八部衆・沙伽羅竜王
頭頂から上半身にかけて蛇が巻
き付き、少年のような表情。龍衆
は八大竜王に代表される龍族。 |
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国宝:八部衆・沙伽羅竜王(2)
蛇を神格化し、水中に棲み、雲や
雨をもたらす。釈尊の誕生の際に
灌水したのも竜王である。 |
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国宝:八部衆・鳩槃荼
頭髪が逆立ち、目を吊り上げ、口
を開き歯を覗かせる。福神と鬼神
の両面をもつ夜叉衆の代表。 |
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国宝:八部衆・鳩槃荼(2)
古代インドの悪鬼神の類を指す
が、仏法に帰依して 護法善神と
なる。増長天の眷属 。 |
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国宝:八部衆・乾闥婆
正面を向き、獅子冠をかぶり目を
閉じて甲を着ける。元は歌神で香
を食べるとされる。 |
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国宝:八部衆・乾闥婆(2)
帝釈天宮で笛を吹き、 音楽を流し
て諸神を供養する。天界の神が飲
む酒ソーマの番人。 |
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国宝:八部衆・阿修羅
像高は153.4cm、三面六臂。上段
腕の掌で忘失の日球・月球を載せ
る。正面は青年期の顔。 |
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国宝:八部衆・阿修羅(2)
右は幼少期の顔。紀元前 3 千年
頃の中央アジア、イラン方面の太
陽神が起源と言われる。 |
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国宝:八部衆・阿修羅(3)
左は思春期の顔。熱さを招き大地
を干上がらせる 太陽神として、常
に帝釈天と戦う悪の戦闘神。 |
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国宝:八部衆・迦楼羅
像高 149.7cm。龍を食べる伝説の
鳥(ガルーダ)。 体は人間の姿、頭
が鳥で甲を着ける。 |
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国宝:八部衆・迦楼羅(2)
左を向き肩に肩衣を巻く。竜を好
んで常食するという伝説上の鳥で
ある。鳥類の一種を神格化。 |
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国宝:八部衆・緊那羅
像高149.1cm。頭上に一角、額に
第三の目がある。 半身半獣の人
非人ともいう。 |
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国宝:八部衆・緊那羅(2)
音楽神であり、仏教では乾闥婆と
同様に帝釈天の眷属とされる。美
しい声で歌う。 |
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国宝:八部衆・畢婆迦羅
像高156cm、他像と異なり、唯一
髭を蓄えた壮 年の姿。 ニシキ蛇
が神格化したもの。 |
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国宝:八部衆・畢婆迦羅(2)
横笛を吹き諸神を供養する音楽神
である。 十二神将の毘羯羅大将と
同一尊格との説がある。 |
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厚さ3cmのヒノキ板に彫られた 仏像
は元々、 東金堂の薬師如来像の台
座側面に貼られていた。薄板の浮彫
りだが、立体感と奥行きがある。 像
容は 誇張されており、 ユーモラスな
雰囲気が漂う。高さ 90-100cm横幅
33-43cm、厚さ約 3cm。 |
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国宝:板彫十二神将・因達羅
足を開き垂直に立つ。頭部を右に
傾け左上を睨む。左肩を上げ左手
は腰紐を掴み、右手は棍棒をもつ。 |
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国宝:板彫十二神将・安底羅
焔髪を天冠台で留め、頭頂部は
無毛。 口を開け、顔を右下に向
け身をよじる。 右手は後に左手
は脇にさげる。 |
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国宝:板彫十二神将・因達羅(2)
袴は長く伸ばし膝と足首に釧で留め
て いる。細い天衣は ギザギザの襞
が表されている。
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国宝:板彫十二神将・安底羅(2)
両肩袖には獅子噛らしきものがあ
る。左手の指の反りは浮彫とは思
えない立体感 がある。
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国宝:板彫十二神将・迷企羅
左足と右腕を高くあげて躍動感を
示す。 左掌を横に押し出し、大き
く口を開く。裸足である。 |
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国宝:板彫十二神将・珊底羅
兜を被り、頭部を右に傾け右下を
にらむ。右手は下げ戟を握る。左
手は脇に、左足に重心を移す。 |
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国宝:板彫十二神将・迷企羅(2)
左掌を外に押し出し誇張的な躍動
感を示すが、 激しい動きを一瞬停
止させている。
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国宝:板彫十二神将・珊底羅(2)
唯一兜を被る像。袖は長く手首近く
まである。袴は膝下でまとめる。 細
い天衣が巻きついている。
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国宝:板彫十二神将・真達羅
正面向きで合掌する姿を浮彫であ
らわす。焔髪を脇に残し頭頂部は
束ね、右脇に太刀をはさむ。 |
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国宝:板彫十二神将・招杜羅
口を開けて、左足を曲げ、左手で鞘
を押さえ、右手で太刀を引き正に襲
いかかる。裸足である。 |
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国宝:板彫十二神将・真達羅(2)
正面の姿を平面的な浮彫であらわす
のは難しいが全く破綻はなく、奥行す
ら感じさせる。
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国宝:板彫十二神将・招杜羅(2)
側頭部は焔髪のままで他は頂部に
まとめ天冠台で締める。 袴をたくし
上げ両膝を出しており裸足である。
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国宝:板彫十二神将・宮毘羅
頭頂部の炎髪は天冠で締める。右
手に太刀を握り 右肩に載せ左手は
甲を向け脇に下ろす。 |
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国宝:板彫十二神将・摩虎羅
巻髪を天冠で抑えている。 右手は
横に伸ばし棍棒を掴む。左手は右
肩に添える。両膝を寄せ身構える。 |
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国宝:板彫十二神将・宮毘羅(2)
長い袖の袂の下部には結び目が
ある。袴は膝下まで下げる。
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国宝:板彫十二神将・摩虎羅(2)
袴をたくし上げて膝を出す。脛当て
をして沓を履いている、
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国宝:板彫十二神将・毘羯羅
総焔髪、右肩を落とし上半身を右
に傾け右下をにらむ。左手は胸元
に上げ、右手は三鈷杵を掴む。 |
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国宝:板彫十二神将・波夷羅
逆立つ焔髪が額を囲んでいる。 鼻
息は荒く、両手には矢を握り、左足
を斜めに踏み上げ駆け出そうとす
る。 |
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国宝:板彫十二神将・毘羯羅(2)
袴を膝まで下げ脚部を出し沓を履く。
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国宝:板彫十二神将・波夷羅(2)
肩布の上に冑の襟が出ている。袴
を膝まで下げ沓を履く。
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国宝:板彫十二神将・安爾羅
頭頂の焔髪を天冠で締める。右手
で矢じり 左手で矢柄を持つ。右肩
を上げて手にする矢を覗き込む。 |
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国宝:板彫十二神将・伐折羅
側頭部の焔髪をはみ出し獣頭の兜
を被る。両手首を腹前で交差し右手
で刀を地に突き刺し、唇を噛む。 |
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国宝:板彫十二神将・安爾羅(2)
冑を着けて、幅広の肩布を何重にも
襞をつくって胸元で結ぶ。 袖の袂が
広い。袴を足首まで下げ沓を履く。
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国宝:板彫十二神将・伐折羅(2)
脛当てに獣頭が付いており、牙が
見える。
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国宝館:四天王広目天
桂材一木造り、彩色、彫眼(瞳は黒
漆)、像高157.4cm。 瞳に別材を入
れ、邪鬼の表面を塑土で仕上げる。 |
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国宝:竜灯鬼立像
ヒノキ材の寄木造、彩色、玉眼仕上
げ。像高は天燈鬼像78.2cm龍燈鬼
像が77.8cm。 |
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国宝:竜灯鬼立像(2)
四天 王像に踏みつけられる邪鬼
を独立させ、仏前を照す役目を与
えたもの。 |
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国宝:金剛力士像・阿形
ヒノキ材の寄木造、彩色、玉眼仕
上げ。像高は阿形像154.0cm 吽
形像153.7cm。 |
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国宝:天灯鬼立像
架空の存在を写実的かつユーモラ
スに表現した鎌倉期彫刻の傑作。 |
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国宝:天灯鬼立像(2)
像内に 1215年に法橋・康弁(運慶
三男)が造ったとする書きつけあり。 |
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国宝:金剛力士像・阿形(2)
寺門を守護する大きな仁王像と
異なり仏堂に安置される小型像
である。 |
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国宝:金剛力士像・吽形
細かでリアルな筋肉表現やバラン
スのよさなどが 注目される。 |
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釈迦如来坐像
像高 227.0cm、桂材の寄木造、彫
眼、漆箔仕上げ。 温和な顔立ちや、
柔らかな衣文の表現などに、定朝様
に通じるものがある。 |
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国宝:金剛力士像・吽形(2)
東金堂の十二神将像のうち伐折
羅大将像と顔貌が類似する。 |
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仏頭(釈迦如来頭部)
像高98.0cm 、桂材の寄木造、彫眼
漆箔仕上げ。1189年頃作造の西金
堂釈迦如来の頭部。引き締まった目
鼻立ちから、運慶の作として知られる |
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国宝:千手観音立像
ヒノキ材の寄木造、漆箔、玉眼仕
上げ。像高5.2mの巨像。 |
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梵天
像高171.5cm、桧材の寄木造、玉眼、
彩色仕上げ。12 世紀宋の様式であ
る上向きに反り上がった靴のつま先
が見える。哲学的な神で、武装せず。 |
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国宝:千手観音立像(2)
もとは食堂の本尊で、像内納入
品の銘記から1229年頃の完成。
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帝釈天
像高166.0cm、桧材の寄木造、玉眼、彩色仕上げ。戦いの神で衣の下に甲冑を着ける。衣の波形の縮れひだなどに12 世紀宋の影響が見える。 |
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721年 藤原不比等の一周忌に際し
長屋王が創建。 現在の建物は 12
10年の再建で屋根を一重、本瓦葺
とする八角円堂。 興福寺の中で最
も古い建物。堂内には本尊の弥勒
菩薩像を はじめに無著・世親菩薩
四天王像などを安置。 |
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国宝:弥勒菩薩坐像(2)
晩年の運慶が 一門で1212年頃に
完成。弥勒菩薩が56億7千万年後
に成仏した姿を表わす。 |
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国宝:弥勒菩薩坐像
北円堂の本尊像で、像高141.9cm
ヒノキ材の寄木造、彩色、彫眼。 |
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天井の天蓋には金箔で蓮の花が描か
れており、外光を反射させて仏像を照
らすように設計されている。 |
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国宝:無著菩薩立像
桂材の寄木造、彩色、玉眼仕上
げ。像高は無著像が194.7cm世
親像は191.6cm。 |
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国宝:無著菩薩立像(2)
無著・世親の兄弟は 5世紀インドで
活動した唯識教学の祖。 法相宗で
尊ばれる。 |
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国宝:世親菩薩立像
無著像は老人の顔で右下を見つめ
る。世親像は壮年の顔で左を向き、
遠くを見る。 |
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国宝:世親菩薩立像(2)
鎌倉時代のリアリズム彫刻の頂点
をなす。作品肖像彫刻の最高傑作
の1つ 。 |
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国宝:四天王・持国天
口をへの字に結び、眼球が突出す
るかのような特徴的な表現。 右手
に持った剣を 地面に突き立てたと
思われる。 |
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国宝:四天王・増長天
顔は異国風の偉丈夫。 体の右側
に三叉戟を立て、これに両手を添
えていた と思われる。 |
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像高は 134.7cm-139.7cm。木心乾
漆造は、桧材を荒彫りし麻布を漆で
一層又は二層に貼りつけ 木粉を混
ぜた漆を盛り彩色を施す。元々は、
791年に大安寺で造立の四天王像
で、興福寺が 1285年に修理したも
の。 |
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国宝:四天王・持国天(2)
右腕を上にして体の前で 両腕を交
差させており、両腕を交差させる姿
は珍しい。
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国宝:四天王・広目天
右手を腰に当て、左手は高く挙げ
て持物(槍、戟、刀)を持っていた
と思われる。 |
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国宝:四天王・広目天(2)
持物が 筆と巻物でなく三叉戟にな
っている作造例は平安以降に見ら
れる。 |
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国宝:四天王・多聞天
左手を腰に当て、右手は顔の横
まで高く挙げ、手のひらに宝塔を
載せていたと思われる。 |
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国宝:四天王・増長天(2)
翻った袖や天衣の遊離部などは鉄
心に乾漆を被せて形成している。
甲など細部は乾漆造で形成される。 |
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1717年の7度目の火災の後は仮再建
のままであった。2018年に約300年ぶ
りの復興を果たした。新たに金箔を貼
りなおした釈迦如来、薬王薬上菩薩な
どを安置。須弥壇の四方は、もと南円
堂所在の四天王像がかためる。 |
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東西36.6m 南北23m 高さ21.2mの
巨大な建物。柱はアフリカのケヤキ
材やカナダのヒノキ材を搬入。 |
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釈迦三尊中尊
像高 283.9cm、寄木造、漆箔、彫眼
仕上げ。現在の像は5代目。 文化財
指定でなく金箔の張替ができた。 |
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国宝:四天王・多聞天(2)
右手で宝塔を掲げる様式は天平、
平安前期の作造に多い。 |
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釈迦三尊・薬王菩薩
桧材の寄木造、漆箔、彫眼仕上
げ。像高は薬王像が362cm、薬
上像が360.cm。 |
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釈迦三尊・薬上菩薩
まげを高く結い、顔つきはやや厳しく
目は釣り上がり気味に、鼻口間は短
く、口は小さめである。 |
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釈迦三尊・薬上菩薩
天冠台の飾りや胸飾り、腕に沿って
波打つ天衣などがきらびやかである。
両像は腰をひねりが逆になっている。
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釈迦三尊・薬王菩薩(2)
1202年 造立の両像ともに本尊側
の膝を少し曲げて、外側の足に重
心を置く。 |
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国宝:四天王・増長天
剣を斜め下方に構え、右ひじを上げ
切っ先に左手を添える。口は少し開
き歯を見せる。鋭い眼力を見せる。 |
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国宝:四天王・持国天
大きな鼻、その上の眉間のしわが
特徴。口を開き、右手は構えて腰
横に拳をつくり、左手は 三叉戟を
支える。 |
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国宝:四天王・増長天(赤)
口は少し開き歯を見せる不敵な様子
と自然なひねりを加えた 体勢に迫力
が感じられる。 |
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像高は197.2-206.6cm、桂材の寄木
造、彩色、彫眼仕上げで。 須弥壇の
の四方に安置し、沓をはき岩座に立
つ。 増長天と広目天は腰を右に、持
国天と多聞天は 腰を左にひねる。
動きも 大きく 力強い 鎌倉再興期の
作像である。 |
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国宝:四天王・広目天
威嚇する顔つきで、顔・体・腰を異
なる向きにひねり立つ。口を閉じ、
右手は腰前で拳を握り、左手で三
叉戟を持つ。 |
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大黒天
像高 93.8cm、桧材の一木造、彫眼、
彩色仕上げ。 彩色が落ちて、丸ノミ
による荒削りが目立つ。頭巾を被り、
上衣と短い袴を着ける。 |
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国宝:四天王・広目天(白)
威嚇する恐ろしさは東寺講堂の持
国天像を思わせ、 凄まじい顔つき
は東寺講堂の増長天に似る。 |
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中金堂:吉祥天椅像
像高64.3cm、ヒノキの一木造、厨子
入り。1340年に唐招提寺から伝来し
た。吉祥悔過会 (けかえ)で開帳。 |
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国宝:四天王・多聞天
眉をうねらせ、 口を半分あける不思
議な表情である。右手に三叉戟を支
え、左手で宝塔を掲げる。 |
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国宝:四天王・持国天(緑)
大きな鼻と眉間のしわが 印象深く
安定感があり、品のよい作品に仕
上がる。湛慶の作造。 |
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国宝:四天王・多聞天(青)
哀しみが にじみ出るような不思議な
表情をしている。六波羅蜜寺の空也
像の作者である康勝の作品。 |
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興福寺境内
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藤原冬嗣が、父・内麻呂の追善のた
め 813年に創建した八角堂。現在の
建物は1789年の再建。屋根を一重、
本瓦葺とする八角の円堂。堂内には
本尊不空羂索観音、仮講堂から移さ
れた四天王と法相六祖を安置する。 |
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毎年10月17日の大般若経転読会での
み開扉される。 |
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国宝:不空羂索観音坐像(2)
像高は 336.0cm、桧材の寄木造、
漆箔仕上げ。 瞳は玉眼入り。上半
身に鹿皮を斜めに纏う。 |
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像高は 198.0-204.5cmで 桧材の寄
木造、彩色、彫眼である。 帝釈天の
眷属で仏法を守る。鎌倉期の四天王
像で姿や兜などに変化を持たせ全体
としてバランスを取る。 |
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国宝:四天王・増長天
唯一兜を着けない。ドングリ目、大
きな鼻、 への字に結んだ口が顔の
中央に集まる。 |
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国宝:不空羂索観音坐像
運慶の父・康慶一門により1189年
に完成、南円堂の本尊。 |
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国宝:四天王・増長天(2)
右手は上げて戟を取り、左手は剣
を持つ。 胴を絞って細身にも見え
るが、かなりの太づくり。 |
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国宝:四天王・持国天
兜を着け、口を開き、左下を睨む。
左右の手を広げ、体を開く。右手
には宝珠を、左手には剣を持つ。 |
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国宝:四天王・持国天(2)
袖を大きく翻さない。左足を遊ばせ
右足一本で体重を支えているが バ
ランスが、やや悪い。 |
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国宝:四天王・広目天
兜の吹き返しが豪華で袖が大きく風
に翻っている。 胸甲飾りや大きな前
垂れもめだつ。 |
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国宝:四天王・多聞天
宝塔を掲げ、戟を持つ。兜の庇が
鬼面となる。 顔は四角張り、口は
小さく開く。 |
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国宝:四天王・多聞天(2)
胴を絞る腰帯は豪華なつくり。 右手
で宝塔を首まで上げているほかは大
きな動きがない。 |
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像高は 73.3-84.8cm、桧材の寄木造
で彩色仕上げ。玉眼を嵌入する。
法相宗に貢献のあった学僧の肖像彫
刻である。 常騰と善珠は装坐 玄防と
玄賓は 脆坐、神叡と行賀は立膝。玄
防のみが外縛印を取るが他像は柄香
炉を持つ供養僧の姿。 |
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国宝:四天王・広目天(2)
右手に羂索 (環のついた縄)を持
ち、左手で三叉戟を支える。 |
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国宝:法相六祖・常騰
結跏趺坐 、数珠を持つ。教学に優
れ63巻もの経論に注釈を加えた。 |
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国宝:法相六祖・神叡
立膝で柄香炉を持つ若年の相。義
淵に師事して法相教学を学び、 三
論・華厳にも通じた。 |
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国宝:法相六祖・善珠
結跏趺坐で 柄香炉を持つ。有数の
著述家で唯識義燈増明記、 唯識分
量決など20余の著作を残す。 |
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国宝:法相六祖・玄ム
跪坐 、外縛印。聖武天皇のもとで
仏教による国家鎮護を押し進めた
が、失脚し筑紫へ左遷された。 |
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国宝:法相六祖・玄賓
跪坐して柄香炉を持つ。高徳をもっ
て 聞こえたが、名利をきらって馬子
渡守になり菩薩行を修める。 |
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地蔵菩薩立像
像高 139.7cm、桧材の一木造、彫眼
彩色仕上げ。頭から足下の蓮台まで
1本の木から彫り出される。全体的に
重量感がある平安前期の特徴。 |
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国宝:法相六祖・行賀
立膝 柄香炉を持つ。老相 でやや
上目遣いの視線を預ける。額には
皺や血管が刻まれる。 |
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薬師如来坐像
像高107.5cm、桜材の一木造、 彫眼
漆箔仕上げ。頭から体を通して一木
の桜材から彫り出す。体躯のバランス
もよく、 肉身も引 き締まる。 |
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国宝:法相六祖・行賀(2)
衣紋の彫が非常に深く、鎌倉様式
先駆けの作品。 |
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1819年に中金堂は仮堂として建てら
れたが老朽化が進み近年になり解体。1975年講堂跡に薬師寺の旧金堂を移
設し仮金堂とする。2018年の中金堂
再建で、仮金堂は講堂として再出発。 |
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阿弥陀如来
像高 225.7cm、桧材の寄木造、彫眼
漆箔仕上げ。興福寺の子院であった
観禅院の本尊と伝えられる。親指と人
差し指で輪をつくる来迎印を結ぶ。 |
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梵天
像高181.3cm 、檜材の寄木造、玉眼
彩色仕上げ。頭体部を前後で矧木。
一具であった帝釈天は、明治の廃仏
毀釈で流失、根津美術館に安置。 |
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