東寺
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講堂内陣(1)
 空海は曼荼羅をよりリアルに表現す
 るため、大日如来を中心とする21体
 の仏像を講堂に安置。

講堂内陣(2)
 21体の仏像のうち15体は講堂創建
 時の像。残りは五智如来の5体と五
 大菩薩の中尊1体は 室町から江戸
  時代の補作。

東寺
 東寺真言宗の総本山で、 796年東
 西を守る王城鎮護の官寺として 西
 寺とともに創建された。
 823年 に嵯峨天皇が唐から帰国し
 た空海に託し、密教寺院となった。
 度重なる火災により創建当時の建
 物は残されていない。
 境内は、東西255m、南北515m。

講堂
 創建時の建物は1486年の土一揆で焼
 失。現存する建物は1491年の再建。
 須弥壇中央には@五智如来 、東側に
 はA五大菩薩、西方には B五大明王
 を安置。東西端には 梵天、帝釈天 須
 弥壇の四隅には四天王像を安置。

01-1 江戸期
講堂:五大菩薩・金剛波羅蜜菩薩
 江戸中期の再興仏。像高197cm、漆
 箔。 右手は上げて掌を上に開く左手
 は降魔印。

01-2 平安前期
国宝:五大菩薩・金剛薩た
 像高は95cm、ヒノキ材の一木造
 表面は漆箔(一部乾漆)。 右手に
 五鈷杵、左手に五鈷鈴を持つ。

01-3 平安前期
国宝:五大菩薩・金剛薩た(2)
 金剛のように堅固な悟りを求める
 心を持ち 大日如来の教えを伝授
 する普賢菩薩の化身と言われる。

立体曼荼羅(羯磨)
 曼荼羅は仏の教えや世界観を視覚
 的に表現。須弥壇上中央に五智如
 来、右に五大菩薩、左に五大明王。
 須弥壇の四方に 四天王と梵天・帝
 釈天を安置。

01-4 平安前期
国宝:五大菩薩・金剛宝
 像高 93cm、ヒノキの一木造、表面
 は漆箔・一部乾漆仕上げ。 右手は
 与願印、左手は宝珠をのせる。

01-5 平安前期
国宝:五大菩薩・金剛宝(2)
 福徳と智徳の両得を備え衆生に福
 徳をもたらす。虚空蔵菩薩の化身。

01-6 平安前期
国宝:五大菩薩・金剛法
 像高は 96cm、 ヒノキの一木造に
 乾漆を補てん、漆箔仕上げ。右手
 は施無畏印、左手は金剛印・拳。

01-7 平安前期
国宝:五大菩薩・金剛法(2)
衆生の苦しみを救う慈悲の徳を司り
迷いある衆生を悟りに導く 聖観音の
慈悲の姿が化身。

01-8 平安前期
国宝:五大菩薩・金剛業
 像高は95cm、ヒノキの一木造に乾
 漆を補てん。表面は 漆箔。右手は
 施無畏印、左手は与願印。

01-9 平安前期
国宝:五大菩薩・金剛業(2)
 不空成就如来が人々を救済する
 ために菩薩(慈悲の姿)が化身し
 たもの。

02-1 室町期
講堂:五智如来・大日如来坐像
 1497年康珍よる作造。像高285cm
 寄木造の漆箔仕上げ、玉眼。 五智
 宝冠と呼ばれる冠をかぶる。

02-2 江戸期
講堂:五智如来・阿しゅく如来
 像像144cm 寄木造の漆箔仕上げ
 薬師如来と同じ東方に位置し病い
 を治す。江戸中期の作造。

02-3 江戸期
講堂:五智如来・宝生如来
 像高は143cmで漆箔仕上げ。右手
 は与願印で人々の願いを聞き入れ
 る。江戸中期の作品。

02-4 江戸期・頭部平安後期
講堂:五智如来・阿弥陀如来
 像高は139cm 漆箔仕上げ。 阿弥陀
 定印を結ぶ。 頭部は 平安後期の仏
 像の転用した江戸中期の作品。。

02-5 江戸期
講堂:五智如来・不空成就如来
 像高は133cm、漆箔仕上げ。右手
 は施無畏印。江戸中期の作品。
 

03-1 平安前期
国宝:五大明王・不動明王
 像高は173cm、一木造に 乾漆を補
 てん、彩色仕上げ。右手に剣、左手
 に羂索。日本最古の不動明王。

03-2 平安前期
国宝:五大明王・不動明王(2)
 彩色もあざやかな怒りの表情で仏
 道に従わないものは無理矢理にで
 も導き救済するという役目を持つ。

03-3 平安前期
国宝:五大明王・降三世明王
 一木造に乾漆を補てん、彩色、像高
 177cm。四面十二目八臂。中央手で
 降三世(小指を絡ませる)印を結ぶ。

03-4 平安前期
国宝:五大明王・降三世明王(2)
 根本煩悩の三世(貪欲・嗔恚・愚癡)と
 三界を降伏する。ヒンドゥー教の最高
 神シヴァを踏付け仏教の優位を誇示。

03-5 平安前期
国宝:五大明王・軍荼利明王
 像高185cm、一木造に乾漆を補て
 ん、彩色。 一面三目八臂。中央手
で跋折羅印を結ぶ。

03-6 平安前期
国宝:五大明王・軍荼利明王(2)
蛇毒で煩悩を砕き衆生に不死、利益
息災、延命を与える。 毒蛇を手足に
巻き煩悩を滅却する。

03-7 平安前期
国宝:五大明王・大威徳明王
 像高103cm、一木造に乾漆を補てん
 彩色。六面十八目六臂で6足で水牛
 に乗る。中央手で檀荼(中指立て)印。

03-8 平安前期
国宝:五大明王・大威徳明王(2)
6足は六波羅蜜を6面は六道を象徴
する。戦勝祈願の本尊である。六足
尊の別名がある。虎皮で腰を覆う。

03-9 平安前期
国宝:五大明王・金剛夜叉
 像高は174cm、 一木造に乾漆を補
 てん 彩色。三面六臂、中央の顔に
 5つ目を持つ。中央両手には金剛杵
 を持つ。。

03-10 平安前期
国宝:五大明王・金剛夜叉(2)
過去・現在・未来の三世に おける
 様々な欲望、悪を金剛杵で 破壊
する。五つ目は五智如来を象徴。

04-1 平安前期
国宝:梵天
平安初期の作像。像高は101cm、彩
色仕上げ。 四面の顔を持ち、四本の
腕を持つ。

04-2 平安前期
国宝:梵天(2)
 脇の2面,腕先、台座は 鎌倉期の
 後補。正面の額に第三の目を持ち
 4羽の鵞鳥が支える蓮花上に坐す。

04-3 平安前期
国宝:帝釈天
 像高は110cm、彩色仕上げ。一面
 三目二臂の 半跏踏み下げの姿勢
 で 白象に乗る。平安初期の作像。

04-4 鎌倉(頭部)
国宝:帝釈天(2)
 頭部 右腕 象の台座は鎌倉期の後
 補。甲冑をまとい金剛杵を取り毒龍
 と戦い、阿修羅に勝利する。

06-1 平安前期
国宝:四天王・持国天
像高は184cm、台座からの一木造
彩色仕上げ。後頭部や背中はえぐ
って板をあてる。

06-2 平安前期
国宝:四天王・持国天(2)
四天王では最も動的である。 国土
を支えるものとの意味を持ち 持国
天と呼ばれる。

06-3 平安前期
国宝:四天王・増長天
 像高187cm、彩色仕上げ。台座か
 らヒノキの木心乾漆造。 後頭部や
 背中はえぐって蓋板をあてる。

06-4 平安前期
国宝:四天王・増長天(2)
 動きは少なく、ふっくらした堂々たる
 体型の像で、静かな中にもかなりの
 迫力がある。

06-5 平安前期
国宝:四天王・広目天
 像高173cm、台座も含めヒノキの木心
 乾漆造、彩色。後頭部や背中はえぐっ
 てって、蓋板をあてる。

06-6平安前期
国宝:四天王・広目天(2)
 多聞天とともに兜をかぶっており
 これは北側配置の四天王像の特
 徴。

06-7 平安前期
国宝:四天王・多聞天
 像高は198cm、台座も含めヒノキの
 一木造、彩色。宝塔などを持つ財宝
 蓄財の神。

06-8 平安前期
国宝:四天王・多聞天(2)
 多聞天の由来は如来の法を良く聞
  くことからくる。 邪鬼である尼藍婆
 毘藍婆を従える地天女の両手の上
 に立つ。

金堂
現存の建物は 1603年に豊臣秀頼の
寄進で再建された。入母屋造本瓦葺
きの大伽藍である。外観からは 二重
に見えるが、一重裳階付きである。
 内部は広大な空間の中に 本尊の薬
師来坐と日光菩薩、月光菩薩の両脇
侍像が安置される。

07-1 桃山期
薬師如来台座下十二神将
 裳懸座の腰回りに12体の十二神将
 が立つ。姿勢、持物、鎧兜や履物を
 変え、バランスに富んでいる。

金堂内陣
本尊は像高が2.88m、台座と光背を
含めると総高10mに達する巨像であ
る。我が国最大の薬師如来像。

07-3 桃山期
金堂:薬師三尊・中尊
 1602-1604年にかけて 東寺の大仏
 師職で運慶系統の康正一門が作成。
 光背には7体の化仏。

07-2 桃山期
薬師如来台座下十二神将(2)
 像高はそれぞれ約1m、ヒノキの寄
 木造、玉眼。頭部に十二支の動物
 を標識としてつける。

07-4 桃山期
金堂:薬師三尊・中尊(2)
 像高288cm、 ヒノキ寄木造 漆箔仕
上げ、玉眼。裳懸座、薬壺がない点
 など平安前期の当初像を踏襲。

07-5 桃山期
金堂:薬師三尊・月光菩薩
 像高は290cm、ヒノキの寄木造で
 漆箔仕上げ、玉眼嵌入 。

07-7 桃山期
金堂:薬師三尊・日光菩薩
 像高は289cm、ヒノキの寄木造、漆箔
 仕上げ、玉眼嵌入。

御影堂
創建当初の御影堂は1379年に焼失
翌年には 不動明王坐像が安置され
る後堂が再建される。
1390年に弘法大師像を安置する前
堂と中門が増築された。後堂、前堂
中門の3つの檜皮葺の建物で 構成
されている。

07-6 桃山期
金堂:薬師三尊・月光菩薩(2)


07-8 桃山期
金堂:薬師三尊・日光菩薩(2)


08-2 平安前期
国宝:不動明王坐像(2)
 弘法大師の念持仏であったが、 平安
 末期に光背の修理で死亡者が出て以
 降、絶対秘仏となった。

08-3 鎌倉
国宝:弘法大師坐
 運慶の4男康勝の作造。日本最古
 の空海の坐像。仏像は南向きに設
 置されるが本像は北向に安置。

08-4 平安前期
国宝:八幡宮・僧形八幡三神像
 厨子に収めた東寺八幡宮草創期の
 ご神体が、1957年 に御影堂で発見
 される。現在は八幡宮で安置。

08-1 平安前期
国宝:不動明王坐像
 9世紀後半の作像。像高は123cm、
 ヒノキ材の一木造り。一木造に乾
 漆を補てんした彩色像。

08-5 平安前期
国宝:八幡宮・僧形八幡三神像
 神像彫刻の最大最古例。三像とも
 幅広く、厚みがあり 重量感に富ん
 でいる。頭部も丸く大きい。

08-6 平安前期
国宝:八幡宮・僧形八幡三神像
 表情は 神護寺五大虚空蔵菩薩像や
 同時期の観心寺 如意輪観音像に通
 じ一種、官能的ともいえる。

観智院
 1359年に 東寺三宝の一人である、
 杲宝が創建。以降、教学の中心施
 設として発展。 本尊の五大虚空蔵
 菩薩像は 山科安祥寺の恵運が唐
 から請来した。

観智院客殿
客殿は 1605年の建築物で、床の間
の鷲の図、襖絵の竹林の図は 宮本
武蔵の筆と伝えられる。武蔵は一乗
寺下り松の決闘の後、本寺に身を隠
す。国宝指定。

09-1 平安前期
観智院:五大虚空蔵菩薩
 安祥寺の恵運が 唐から請来したも
 の。鼻梁が長く面長な顔、四角張っ
 た脚部の造形は 唐後期の作例 。

09-2 平安前期
観智院:五大虚空蔵菩薩(2)
 像高は70-75cm、蓮台まで広葉樹の
 一木造。それぞれ別製の鳥獣座に右
 足を外にして結跏扶坐する 。

09-3 平安前期
観智院:五大虚空蔵菩薩(2)
 知恵と福徳を司る13番目に誕生し
 た菩薩に、13歳になる子供の幸せ
 を願う十三参りの風習がある。

宝物館
 1963年に寺宝の保管展示施設とし
 て完成。 平安京の羅城門にあった
  兜跋毘沙門天 約6mの千手観音な
  どの彫刻や風信帖、経典文書など
  を収蔵。
  約80件2万点以上にものぼる寺宝
  の中から選び特別展を毎年春秋の
  2回開催。

11-1 平安前期
宝物館:千手観音立像
 像高584cm、ヒノキの一木造、漆箔
  仕上げ。 下肢、脇手、頭上面の一
 部、中央手の部分は当初のもの。

11-2 平安前期
宝物館:千手観音立像(2)
 醍醐寺を開山した聖宝が 食堂の本尊
 として造立。1930年の火災による損傷
 を1968年に修復。

11-3 平安前期・唐代
国宝:兜跋毘沙門天立像
 像高は 189.4cm、桜材木造 彩色
 漆箔仕上げ。中央アジア風の膝頭
 まで隠れる金鎖甲エビ腹の籠手を
 着ける。唐からの請来仏。

11-4 平安前期
国宝:兜跋毘沙門天立像(2)
 宝冠の正面には鳳凰左右の面には
 武装した人物を描く。当初は平安京
 の南端にあった羅城門に安置。

11-5 平安前期
兜跋毘沙門天・地天女
 古代インドの女神で大地の堅牢に
 支え、万物を生育させる。 密教に
 おける天部の一人。

11-6 平安前期
兜跋毘沙門天・尼藍婆 毘藍婆
 十羅刹の二人で人の精気を奪う鬼神
 であったが、仏法に接し、法華行者を
 守る善神となった。

11-7 平安前期
夜叉神堂:夜叉神像
 元は 南大門で祀られる。1596年
 に小堂に安置。空海の作とされる
 仏法の守護神。 蜂の害で無数の
 穴がある。

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