広隆寺
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広隆寺
 603年 中国の渡来人秦河勝が聖徳
 太子から賜った仏像を本尊として建
 立した。 創建当初は 弥勒菩薩を平
 安遷都前後は薬師如来が本尊。

広隆寺楼門
 本堂・上宮王院太子殿には 聖徳
 太子像を安置。 桂宮院は法隆寺
 の夢殿に似た八角円堂。 10月の
 牛祭は京都三大奇祭の一つ。

上宮王院太子殿
 1730年建立の広隆寺本堂。 入母
 屋造、檜皮葺の宮殿風建築。本尊
 として聖徳太子立像が 安置されて
 いる。11月22日に開扉される。

01 平安後期
太子殿本尊・聖徳太子像
 像高 147cm、木造、彩色、瞳嵌入
 仕上げ。太子500回忌を前に造像
 天皇が 即位で身につける 衣冠束
 帯を着用。

講堂
 1165年の再建。柱が朱塗りで赤堂
 と呼ばれる。 数少ない平安期の遺
 構。堂内は 敷き瓦敷き土間で天井
 を貼らない化粧屋根。

02-1 平安前期
国宝:阿弥陀三尊中尊
 像高264cm、一木造、木屎漆併用
 漆箔。二重円光、 右足を上にして
 結跏鉄坐、転法輪印 を結ぶ。

02-2 平安前期
国宝:阿弥陀三尊中尊(2)
 鋭い眼差しや豊かにふっくらとした
 頬、肩幅が 広く重厚な姿。平安前
 期の力強さを示す。

02-3 平安前期
講堂・阿弥陀三尊・地蔵菩薩
 像高182cm、一木造、彩色。右手
 は与願印、左手は 宝珠を載せる。
 宝珠を持つ最古の例。

02-4 平安前期
講堂・阿弥陀三尊・地蔵菩薩
 がっしりとした胴体 分厚い衣には
 平安前期の特徴である 翻波式が
 深く刻まれる。

02-5 平安前期
講堂・阿弥陀三尊・虚空蔵菩薩
 像高233.3cm、一木造、漆箔仕上
 げ。両手で蓮華をつかむ。

02-6 平安前期
講堂・阿弥陀三尊虚空蔵菩薩
 広隆寺を中興した道昌によって造
 像された。

霊宝殿
 1982年に建設。国宝第1号の弥勒
 菩薩をはじめ 千手観音、十二神将
 など 時代を代表する 国宝、重要文
 化財の仏像を安置。

霊宝殿内部

霊宝殿内部(2)

03-1 飛鳥
国宝:弥勒半跏思惟像・宝冠弥勒
 像高は84.2cm、アカマツの一木造
 漆塗った上に金箔で覆う。 宝冠弥
 勒と呼ばれ国宝第1号に指定。

03-2 飛鳥
国宝:弥勒半跏思惟像・宝冠弥勒(2)
 当時の日本の仏像には珍しいアカ
 マツの木から彫り出されていること
 から朝鮮から伝来仏が有力説。

03-3 白鳳
国宝:弥勒半跏思惟像・泣き弥勒
 像高 66.3cm、クスノキの一木造
 漆箔。 首を傾げ目が潤んだよう
 に見え、泣き弥勒と呼ばれる。

03-4 白鳳
国宝:弥勒半跏思惟像・泣き弥勒(2)
 高い髻が特徴の宝髻弥勒とも呼
 ばれる。裳の裾 背釧腕などに獣
 皮・牛皮を使う。

03-5 平安前期
勅封薬師如来
 一木造、内ぐりのない古様。左手
 を前に薬壷を持つ 以外は、吉祥
 天のような像。 彩色が極めてよく
 残る。

03-6 平安前期
勅封薬師如来(2)
 普段は閉じている厨子に入り聖徳
 太子11月の命日に 本堂本尊の聖
 徳太子像とともに開扉される。

03-7 平安前期
国宝:不空羂索観音像
 像高313.6cm。 一面八臂、中央手
 は 胸前で合掌し、 脇手3対には錫
 杖三叉戟等を握る。

03-8 平安前期
国宝:不空羂索観音像(2)
 頭部は小さく、体は細身で特に下
 半身が長い。腰の下の繰り返され
 る襞は、布の質感を引き出す。

03-9 平安前期
国宝:千手観音坐像
 像高 266.0cm、 ヒノキ材の一木造
 一部に 木尿漆併用、漆塗、彩色仕
 上げ。11面42臂。裳に翻波式文様
 や渦文が見える。

03-10 平安前期
国宝:千手観音坐像(2)
 中央手は 胸前で合掌。脇手には
 錫杖、三叉戟等を握る。面、脇手
 の大部分、光背台座は後補。

03-11 平安前期
地蔵菩薩立像・埋木地蔵
 像高は 91cm、 一木造。右手は 下
 げた与願印、左手は宝珠を載せる。
 右肩を脱ぐ地蔵は珍しい。

03-12 平安前期
地蔵菩薩立像・埋木地蔵(2)
 菩提樹に刻んだ地蔵に花が咲き
 蜂の群がる羽音が お経のうめき
 声に聞こえ、埋れ木に転訛したと
 いう。

03-13 平安前期
弥勒菩薩坐像
 像高83.7cm。寺唯一の塑像。表面
 は湿気を防ぐため雲母が 塗られて
 いる。

03-14 平安前期
弥勒菩薩坐像(2)
 大粒の螺髪、鼻翼の上がった 鼻
 や厚い唇が見せる表情、太くうね
 る衣文に平安前期の特長を示す。

03-15 平安前期
聖観音立像
 像高 147.9cm、カヤ材一木造で木尿
 漆を用いた壇像様式。下膨れの顔面
 動きのある姿態に平安前期の作風。

03-16平安前期
聖観音立像(2)
 隋・唐で盛んに作られた壇像を日
 本では 南方材である白檀の代わ
 りに自生する カヤを用いて作像し
 た。

03-17 平安後期
千手観音坐像
 像高256cm、カヤ材の寄木造。42
 臂であったが、現在は13臂に減失
 した。寄木造りの最初期のもの。

03-18 平安後期
千手観音坐像(2)
 表情に平安初期の神秘さと 仏が
 持つ力強さとともに平安後期から
 表現される柔和さを感じさせる。

03-19 平安後期
日光菩薩立像
 像高175cm、木 造、漆箔、彩色仕
 上げ。目の上瞼を水平、下瞼を弧
 状にし小鼻と形のよい唇を作る。

03-20 平安後期
日光菩薩立像(2)
 太陽の如く照らす光で 闇を消して
 薬師如来が 人々から病気や障害
 を取り除く活動に協力する。

03-21 平安後期
月光菩薩立像
 像高174cm、木造、漆箔、彩色仕
 上げ。持物の蓮華に 三日月を示
 す。月輪を載せる蓮華は後補。

03-22 平安後期
月光菩薩立像(2)
月のような優しい慈しみの心で煩悩
を消し薬師如来の活動を助ける。浄
瑠璃浄土の菩薩である。

04-1 平安後期
国宝:十二神将・安底羅(1)
 兜を被り左片目をつぶり、 矢の整
 調をしているさまを表現。漆と彩色
 を交えて優美に装飾。

04-3 平安後期
国宝:十二神将・因達羅
 兜を被り口を開け体勢を左に傾け
 右前方を睨む。右手を下げ刀を水
 平に構える。左手掌を前に向ける。

霊宝殿・十二神将
像高は113 -123cmで念怒形の表情
をする。岩座までの 一木の割矧造、
彩色。『広隆寺来由記』によれば、仏
師長勢による作品といわれる。 すべ
てが長勢作ではないと指摘する説が
あり。表情はどれも厳しく精悍な顔つ
き。新薬師寺の像に次ぐ古い時代の
の作。

04-2 平安後期
国宝:十二神将・安底羅(2)
温和な憤怒相と激しい動きを抑えた
姿勢を刻み、頭髪、甲冑に変化をつ
ける。

04-4 平安後期
国宝:十二神将・宮毘羅
 炎髪を逆上げて、口を開け正面を
 睨む。左手で刀を下げ、右手は腰
 に充てる。正面不動の姿勢。

04-5 平安後期
国宝:十二神将・珊底羅
 炎髪を逆上げて、 歯を剥き出し右
 斜めを睨む。右手を曲げ刀を顔面
 に向けて立て、左手は腰に充てる。

04-6 平安後期
国宝:十二神将・摩尼羅
 炎髪を逆上げて、口は閉じて正面
 を見据える。 右手で方天戟を支え
 左手は腰に充てる。不動の姿勢。

05-1 平安後期
四天王・持国天
 兜を被り歯を覗かせて重心を右に
 取り左下方を睨む。右手で方天戟
 を支え、左手は腰に充てる。

15-2 平安後期
四天王・増長天
 兜を被り、口を開け、重心を右に移
 し左下方を睨む。 右手は刀を頭上
 に振りかざし、右手で鈷杵を握る。

15-3 平安後期
四天王・広目天
 口を開け前方下を睨む。右足を曲
 げ踵を浮かす。 右手で鈷杵を振り
 上げ、左手は腰に充てる。

15-4 平安後期
四天王・多聞天
 口を閉じ正面を向き、体勢を左に
 捻り、左足は踏み上げる。左手で
 戟を支えて、右手は腰に充てる。

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