室生寺西大寺
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室生寺


室生寺五重塔
平安前期の建立で寺内最古の建物。
屋外にある木造五重塔としては、法
隆寺塔に次ぎ古く、木造五重塔では
日本最小である。高さは 16m強、一
重目の1辺が2.5mほど。

金堂
桁行、梁間共に五間。屋根はこけら
ら葺き、寄棟造の平入である。手前
一間は 礼堂と呼ばれ、1672年に増
築されたもの。正面と左右の縁と礼
堂の部分は、足の長い懸造り。

弥勒堂
鎌倉時代の建築で屋根は ヒノキや
サワラの木を薄く割って重ねたこけ
らぶき。周囲には縁をめぐらせてい
る。内陣の弥勒菩薩や国宝釈迦如
来坐像は 宝物館に移管された。

宝物館
2020年に 開館。平安時代前期に造
られた。釈迦如来坐像、十一面観音
菩薩立像や、薬師如来の従者として
十二の方位を守る十二神将立像の6
体などの仏像が安置。

宝物館内部

01-1 平安前期
国宝:金堂・釈迦三尊中尊
像高は237.7cm、カヤ材の一木造。
台座と光背は当初のものが残る。
右手は施無畏印、 左手は与願印。

01-2 平安前期
国宝:金堂・釈迦三尊中尊(2)
光背に七仏薬師が描かれ、十二神
将(薬師如来の眷属)が安置されて
おり薬師如来として造立。

01-3 平安前期
国宝:宝物殿・十一面観音立像
像高195.1cm。 カヤ材の一木造で
板光背は後補。左手に水瓶を持ち
右手は与願印、胸元に瓔珞。

01-4 平安前期
国宝:宝物殿・十一面観音立像(2)
 金堂内陣の向かって左端に安置さ
 されていたが、2020年に寶物殿に
 移動。

01-5 平安前期
金堂:伝帝釈天曼荼羅図
金堂の来迎壁に帝釈天を曼荼羅風
に描いたもの。三尊を中心に8列15
段に120体の小坐像を配す。

01-6 平安前期
国宝:宝物殿・釈迦如来坐像
 像高106.3cm。榧の一木造。弥勒
 堂の客仏として 安置されていたが
 2020年に宝物館に移動。

01-7 平安前期
国宝:宝物殿・釈迦如来坐像(2)
全面に 翻波式衣文の大波と小波を
繰り返す。胸の前で衣を折り返し足
元や背面に渦文を表わす。

01-8 平安前
室生寺 弥勒堂本尊・弥勒菩薩
像高94.4cm、壇像風の小像は榧の
一木造。両手、天衣、瓔珞なども含
めて一材から彫りだす。

02-1 鎌倉
金堂:十二神将・因達羅(申)
 首を左に傾け、口を一文字に閉め
 て、右目を細め両手で支えた矢羽
 根を調整している。

02-2 鎌倉
金堂:十二神将・因達羅(2)
 右足の開き、腰の動き、顔の傾き
 炎髪のなびき方まで同調的にひね
 りを入れる。

十二神将
像高は各約1m、桧の寄木造 玉眼入
素地に直接白土を塗り彩色を施す。
一部漆箔。他に類を見ない穏やかな
表情を持つ像が多い。 金堂と宝物
殿に各6体を収納する。

02-3 鎌倉
宝物殿:十二神将・安底羅(巳)
 前かがみに左に体を捻る。眩しい
 のか目を細めて口を開き、遠くを
 見る。

02-4 鎌倉
宝物殿:十二神将・安底羅(2)
 開いた左手は額の上にかざし、右
 手は戟を掴み 体側に下げる。

02-5 鎌倉
宝物殿:十二神将・迷企羅(辰)
 炎髪で口を一文字に結び、体を
 左に捻り横向きで前方を睨む。

02-6 鎌倉
宝物殿:十二神将・迷企羅(2)
 右手は握り腹前まで下げる。左手
 は拳を腰に充てる。

02-7 鎌倉
宝物殿:十二神将・珊底羅(未)
 首を右にねじり後ろに傾け左手を
 ほおに当て口を閉じる。目は上を
 見て一息ついた表情をしている。

02-8 鎌倉
宝物殿:十二神将・珊底羅(2)
 体をほとんど半回転させるほど左
 に捻る。 右手は刀か宝棒(亡失)
 を握っていると思われる。

02-10 鎌倉
金堂:十二神将・真達羅(2)
 右手は 腹前で刀類(亡失)を握り
 左手は右手と交差し、中指を立て
 る。

02-9 鎌倉
金堂:十二神将・真達羅(亥)
 首をやや右に向け平坦相で前方
 を詰める。一時休息の風情。

02-11 鎌倉
金堂:十二神将・招杜羅(子)
 兜を被り、顔をやや左に傾げ、話
 しかけるように口を開き、 穏やか
 な表情で見上げる。

02-14 鎌倉
宝物殿:十二神将・宮毘羅(2)
 右手は降ろし人差し指を下方に立
 てる。 左手は胸元で掌を上に向け
 る。

02-12 鎌倉
金堂:十二神将・招杜羅(2)
 左手は掌を天に向け差し上げ
 右手は拳のまま自然に下げる。

02-13 鎌倉
宝物殿:十二神将・宮毘羅(寅)
 眉を逆立て、口は半開きで上歯を
 見せる忿怒相で正面を睨む。

02-15 鎌倉
金堂:十二神将・摩虎羅(戌)
 異国風の冠を着け、あごひげを長
 く伸ばす。 眉を潜めやや困惑した
 ような表情。

02-16 鎌倉
金堂:十二神将・摩虎羅(2)
 右手は上向きに曲げ人差し指を立
 てる。 左手は降ろして武器(亡失)
 を握る。

02-18 鎌倉
金堂:十二神将・毘羯羅(2)
 右手は 二本指を立てて口元に近
 づける。左手は左肩を捻り前方に
 下げる。

82-17 鎌倉
金堂:十二神将・毘羯羅(丑)
 炎髪で口をへの字に曲げて、前方
 を睨む。

02-20 鎌倉
宝物殿:・十二神将・波夷羅(2)
 右手に棒状の武器(亡失)を支え
 左手に刀類 (亡失)を握っている
 と思われる。

02-21 鎌倉
金堂:十二神将・あに羅(午)
 鉾(亡失)を握った左手を高く上げ
 て口を開き吠えるように 敵を威嚇
 する。

02-22 鎌倉
金堂:十二神将・あに羅(2)
 こわばったような顔つきで強い怒
 りを表現している。右手は拳を腰
 に充てる。

02-19 鎌倉
宝物殿:十二神将・波夷羅(酉)
 炎髪の忿怒相で顔を左に向け下
 方をにらむ。

02-23 鎌倉
宝物殿:十二神将・伐折羅(卯)
 首を左に向け、 口を閉じた平然
 とした顔付きで踊るように前を見
 る。

02-24 鎌倉
宝物殿:十二神将・伐折羅(2)
 右手は肩まで上げ三鈷杵を握る。
 左手は腹前まで下げ掌を下に向
 ける。唯一裸足である。


西大寺

西大寺
 奈良時代に南都七大寺として大伽
 藍を誇った。 室町時代に起きた火
 災で堂宇は全て消失。現在の本堂
 は 1805年に建立されたもの。一重
 の寄棟造で全てが板壁による。
本堂内陣
01-1 鎌倉
西大寺本堂・釈迦如来
 中興の祖叡尊上人が、清涼寺の
 釈迦像を摸刻させて1249年に本
 尊として開眼供養が行われた。
01-2 鎌倉
西大寺本堂・釈迦如来(2)
 像高167.0cm、素木に截金文様を
 施し、胎内には多くの納入品が納
 められている。




01-3 鎌倉
本堂・渡海文殊菩薩像
獅子に乗る文殊菩薩像が 両脇にい
る4人を従えている。 中国五台山の
文殊信仰に基づく文殊五尊像。叡尊
の十三回忌1302年に完成する。
01-4 鎌倉
本堂・渡海文殊菩薩像
像高82.5cm、木造、彩色、截金、玉
眼仕上げ。右手に剣、左手に経巻を
載せた蓮華を持つ。
01-5 鎌倉
本堂・渡海文殊菩薩像(2)
宝冠には赤と白に彩色された日輪
 と月輪が付く。 瓔珞は腹まで延び
 輪宝を下げる。
01-6 鎌倉
本堂・渡海文殊・善財童子
 像高87cm、文殊菩薩を振るかえ
 る姿の童子。東海道五十三次は
 童子を導く五十三人の善知識。




愛染堂
 愛染明王像を本尊とするお堂。
 1767年に京都近衛家邸宅の御殿
 の寄進を受けて移築建立。
愛染堂内陣
02-1 鎌倉
愛染堂・愛染明王
 像高は31.8cm。秘仏であることか
 ら当時の色彩をそのままに残す。
 額に目がある三目の六臂である。
02-2 鎌倉
愛染堂・愛染明王(2)
 炎髪と眉を逆立て、目を見開き、口
 を開き、鼻の上部、目と目の間にこ
 ぶを作る忿怒相である。




02-3 鎌倉
国宝:興正菩薩叡尊坐像
 像高は約90cm、ヒノキの寄木造
 玉眼。本人が 生きている間に長
 寿を願って造られた寿像。
四王堂
西大寺創建の端緒となった称徳天皇
誓願の四天王像をまつる仏堂。
現在の堂舎は 1674年の再建の寄棟
造。本堂の四周に裳階を廻らし 外観
は二重風の建築となっている。
四王堂内陣
03-1 天平
四王堂・増長天邪鬼
 増長天が踏みしめている邪鬼だけ
 が創建当初の造形を伝えており現
 存する唯一の創建期彫刻。




03-2 平安後期
四王堂・十一面観音立像
 像高約 6mの巨像。下垂した右手
 に錫杖を、左手には蓮の華瓶を持
 つ長谷寺式の十一面観音像。
03-3 平安後期
四王堂・十一面観音立像(2)
 元々は法勝寺十一面堂の本尊で
 あったが 1289年に四王堂に移管
 したもの。


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