(5) 台座





蓮華座(れんげざ) 如来や菩薩、愛染明王などが蓮台に乗ることが出来る。一番下の框台は蓮華が咲く
泥沼の水面を表す。蓮台と反花、框台だけの簡単なものを大仏座という。
蓮弁の葺き方には下記の2種がある。
 @魚鱗葺き:魚の鱗のように互い違いに花びらが生えているもの 。
 A吹寄せ葺き:格段の花びらの高さが同じになる葺き方。
天平時代までは魚鱗葺きが多く、平安時代には吹寄せ葺き 、鎌倉時代から、
また魚鱗葺きが多くなる。
裳掛座(もかけざ) 須弥座に裳をかけたもの。 裳掛座は二種類に分けられる。
 @ 仏様の衣が長く台座の周りに広がっているもの。
 法隆寺金堂の釈迦三尊像の台座が有名。
 A テーブルクロスのように布がしかれているもの
薬師寺薬師如来
須弥座(しゅみざ)・宣字座 須弥山をかたどった台座。
如来のみに用いられる。
方座(四角)と八角座の2種類。 「宣字」の名は見た目が「宣」の字に似ているため。
雲座(くもざ) 浄土から亡者を迎えに来る阿弥陀如来や地蔵菩薩が乗る。
浄土寺阿弥陀如来など鎌倉時代以降に多い。
瑟瑟座(しつしつざ) 盤石座(岩座)の一種、不動明王専用の台座。
五宝のひとつ瑟瑟(玉の名)を切りそろえて五段に
積み上げた大磐石を意味する台座。
岩座(いわざ) 岩の形をあらわし須弥山を象徴化した台座。
おもに不動明王や十二神将など顔に怒りをたたえた仏像が乗る。
岩の上に邪鬼がいて天がそれを踏みつけている像が多くある。
荷葉座(かしょうざ) 蓮の葉をかたどった台座。
岩座の上に蓮の葉を伏せておいた形が一般的。
天部の梵天、帝釈天、吉祥天などが乗る。
踏割蓮華座(ふみわりれんげ
ざ)
両足がそれぞれ別の蓮華座に立つ。
軍荼利明王、 金剛夜叉明王などが乗る。
鳥獣座(ちょうじゅうざ) 象・獅子・牛・孔雀・鵞鳥などの動物をかたどった台座。
 @白象:普賢菩薩、A獅子:文殊菩薩、B猪:摩利支天、
 C鵞鳥:密教系の梵天、D馬:日天、E水牛:大威徳明王

チベット説話では大威徳明王が人々を食い殺す水牛の頭を被ったヤマ (閻魔天)を
退治した由来から、水牛に乗る像が作られた。